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Seeing-in
先日、イギリスから届いたメールをようやくじっくりと読んで、自分の文章が、York大学のDr. Derek Hodgsonという研究者の論文に言及されていることを知りました。ロンドンで発行されている「Time and Mind: The Journal of Archaeology, Consciousness and Culture」という学術雑誌に掲載された「Emanations of the Mind: Upper Paleolithic Art as a Visual Phenomenon」という文章で、とりあえずは「こころの放射:視覚現象としての後期旧石器時代美術」と訳せるでしょう。要約は下記リンクをご覧ください。
http://www.ingentaconnect.com/content/berg/tmdj/2012/00000005/00000002/art00004 ホジソン博士は認知考古学を標榜されていて、私自身とは方法意識は少し異なりますが、自然の岩面の形状が人間が制作するかたちに一致しているという造形現象には同様の関心を抱いておられるようで、まだ面識はありませんが、何度かメールをいただいている、研究仲間といっていいのかもしれません。参照されているのは、私が一昨年にフランスで開催された国際学会で発表した原稿で、ショーヴェで発見された洞窟壁画の多様性を説明しようとした試みです。詳細は改めて別の機会に紹介したいと思いますが、やはり、英語で書くと、世界の研究者に読んでもらえるので、大変ですが、これからもチャレンジしたいと思いました。 今回の論文では、こころの「放射」ということで、言い得て妙な表現を教えていただいた気がします。放射される「こころ」がいかなるものかが問題ではありますが。それと、私の文章が参照されているのが「Seeing-in」という項目で、これはまさに「見立て」と訳すべき造語ではないかと思います。私の理論におけるキーワードのひとつが「見立て」ですが、この日本語をヨーロッパ系の言語でどう表現すべきかは悩ましいところで、今回の「Seeing-in」は一つの解答といえるかもしれません。英語の前置詞の微妙なニュアンスを理解することは難しいですが、私自身も、今後は使わせてほしいと思った次第です。
by rupestrian
| 2012-07-05 13:55
| 先史岩面画
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