世界各地の先史岩面画に関心を抱く皆さんとの情報交換を行う場です。
by rupestrian
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31


ディアブロ型人物像

マカピーです。論文が手を離れて、ちょっと安心して、昨日は書きませんでした。それで、漫然とテレビを見ていたら、大道芸人の方が出ておられていて、「ディアブロ」という道具を使った技を披露されていました。下の写真は、やはりエジプトのフォッギーニ岩陰の作品ですが、このように、腰の部分が細く絞られて、上下の胴体と大腿部が太く表現されている人物像を、先史岩面画研究では伝統的に「ディアブロ型人物像」と称してきました。「ディアブロ」とはあえて日本語にすれば「空中独楽」となり、両手に棒を持って、その2本の棒の両端にひもが付いていて、そのひもに「ディアブロ」をからめて、いろいろと超絶的な技を見せるものです。うまく説明できませんが、これまでは、この種の、実は世界中に分布している人物像のタイプを「ディアブロ型人物像」と呼びつつ、その言葉の由来まで、なかなか解説できなかったのを歯がゆく思っておりました。皆様はとっくにご存じだったかもしれませんが、私は上のテレビ番組で、初めて「ディアブロ」が日本語として通用していることを知り、ほっと安心した次第です。どうしても、他の諸科学同様、ヨーロッパで展開してきた学問分野ですので、用語もなかなか日本ではなじみのないものもあり、これをどうかみ砕いてゆくかも、先史岩面画を調査研究するもののつとめだろうと思います。この場合は、「ディアブロ」が日本で定着したようなので、これからはただ「ディアブロ型人物像」といえばいいのだろうと、安心しておりますが。
ところで、このような人体を極端に変形して表現する伝統は、先史岩面画には普通のものであり、「ディアブロ型人物像」は、従来の年代観でいえば、比較的新しい時期のものになりますが、フォッギーニでは、先の黄色のダイナミックな「スティック・フィギュア」に次ぐ古いもののように、私の現地の観察からは判断できますので、これをどう考えるかも難しいところです。おそらく、他のところで成熟した制作伝統がそのままこの遺跡まで来て、これらを表現したのではないかとも考えられますが、もちろん、もっと考察を進めなければなりません。いずれにしましても、このようなリズム感もまた先史岩面画の魅力の一つだと感じておりますので、少し長くなりましたが、名称とともに紹介させていただきました。
a0085337_1619442.jpg

[PR]
by rupestrian | 2009-09-11 16:21 | 先史岩面画
<< 訂正とお詫び、と女性像 論文送付 >>