世界各地の先史岩面画に関心を抱く皆さんとの情報交換を行う場です。
by rupestrian
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「太陽神」

マカピーです。引き続き中国の話題ですが、下の写真は、賀蘭山(ヘランシャン)遺跡群の中でも代表的な賀蘭口(ヘランコウ)遺跡の、その代表的な作品の「太陽神」と呼ばれているものです。そういう意味では、近くの銀川という都市を、さらには寧夏回族自治区を代表する「アイコン」とでもいうべきかもしれません。実際、このかたちは、シンボル・マークのように活用されていますし、なんといっても、我々が銀川市で4泊したホテルが「太陽神大酒店」という名前だったのですから、この命名のインパクトは大きいと認めざるを得ません。しかし、このかたちが本当に「太陽神」をあらわしているかというと、その解釈は何の根拠もないのであり、キャッチ・コピーが一人歩きしているという感は否めません。この地域にある「人面」とも「仮面」とも解釈されているかたちの中でも最も華やかな存在感があり、それで、元々は誰かが何の気なしに「太陽神」と名付けただけだろうと思います。しかし、一旦、名前を持ちはじめるとそれは独自の人格のようなものを持ってしまうのであり、そこから、これは太陽を崇拝していた人々が作ったのだろうという推測へは、すぐ一歩のところまで来ているでしょう。そうすると、太陽を崇拝するのは農業をする人々だろうから、それを生業にしていた人々が住んでいただ時期は、この周辺では云々、、、という議論が延々と続いてゆくことになるでしょう。もちろん、そのような話の中で、作品に対する観察が深まったり、様々なアイディアが湧いてきたりと、メリットもないことはないでしょうが、やはり、まずは無前提に、虚心に作品に立ち向かって、あらゆる事を感じて、考えてゆきたいものだと思います。
作品それ自体も、写真でもわかるとおり、拓本のとりすぎのせいか、かなり黒ずんでいます。これはこれで重大な作品破壊であり、今後は決してすべきことではないでしょう。表情がかげって「太陽神」が少し悲しげに見えるのは私だけでしょうか。
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by rupestrian | 2009-11-02 17:19 | 先史岩面画
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