世界各地の先史岩面画に関心を抱く皆さんとの情報交換を行う場です。
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年の瀬に

マカピーです。どうも、ブロガーになりきれないまま、2009年も終わりに近づこうとしています。今年は、春にエジプトに行ったり、秋に中国に行ったり、初めての先史岩面画作品も見ることができ、充実した1年になったのではないかと思っております。このブログも本格的に始めたつもりですが、なかなか軌道に乗らないまま、来年はどうなるのか、自ら心配しております。著作権という、重要ではあるが、結構厄介なものがあり、基本的に自分が撮った写真しか載せられないのが、こういう美術系ブログの一つの制約とはいえるでしょう。まあ、これまでいやほど撮りためている画像がありますので、それを徐々に出していけばいいのかもしれませんが。
さて、年末に、1冊の本を読みましたので、紹介いたします。青柳正規『人類文明の黎明と暮れ方』(興亡の世界史00)講談社、2,300円(税別)という本で、表紙にペシュ=メルル洞窟の「斑点のある2頭のウマ」がデザインされて、書店でも目につくかもしれません。400ページ近い全体の、約20ページが洞窟壁画に充てられていて、まあ、それなりに取り上げていただいているという感じです。もちろん、専門に研究している者から見れば、情報の出所が限定的で、議論の不十分な箇所もあるような気がしますが、それよりは、こういう著者にも関心を持っていただいているということをよしとすべきなのかもしれません。青柳先生は、東京大学の美術史講座主任教授を長らく務められた、古代ローマ文化の専門家であり、イタリアでは実地に発掘調査もされています。日本学士院会員という、研究者としては、功成り名遂げた方であり、そういう先生が、洞窟壁画をどう捉えておられるのかというのも興味深いところです。今回も、本の紹介ということで、画像は省略いたします。
では、皆様よいお年をお迎えください。
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by rupestrian | 2009-12-28 14:30 | 先史岩面画

メーリングリスト

マカピーです。どうもこのページを更新する習慣が付かないまま、1週間以上がすぎてしまいました。日々、先史岩面画に関わって生活しているのですが、それがなかなか投稿にまでは至りません。現在後期ですが、木曜日は、学部の3年生に洞窟壁画の講義をしているので、毎週提出されるレポートを読んでも、色々なことを考えさせられるのですが、それをどこまで披露していいものかどうかも、考えあぐねるところです。
話変わって、私はRock Art のメーリングリストに長らく参加していて、英語とスペイン語が使われているリストで、私は1度も投稿したことがありませんが、折に触れて、たのしんで眺めたりしております。日本先史岩面画研究会会員の皆様にも、参加していただければ、今のトレンドがわかったりしますので、おすすめいたします。最近は、ある本の批評が投稿されて、それに対する議論が喧々囂々展開されました。下に紹介します本の書評が「対人攻撃的(これの原語はad Hominemという初めて見たことばで、ラテン語をそのまま使っているようです)」だと非難され、もっと内容を論じろとか、元々くだらない本だからそれでいいとか、まあ、世界各地の多士済々が意見を表明するような場であるといえるでしょう。今年出たばかりの本で、私もまだ読めていませんが、ぜひ取り寄せなければならないと思っているところです。今回も、本の紹介ということで、画像は省略いたします。
Cave Paintings and the Human Spirit: The Origin of Creativity and Belief." David S. Whitley. Prometheus Books, Amherst, New York; 2009.ISBN 978-1-59102-636-5.
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by rupestrian | 2009-12-10 17:07 | 先史岩面画

上黒岩岩陰遺跡

マカピーです。この週末には愛媛県に行って、山中の上黒岩岩陰遺跡に行ってきました。この遺跡からは約14,500年前の層から線刻のある十数点の礫が1962年以降に発見されており、女性が表現されているという解釈から長らく「ヴィーナス」とも称されてきました。下の写真は、フォーカスがかなり甘いですが、その1点を遺跡に隣接する展示室で撮影したもので、実物は千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館所蔵ですから、レプリカです。最近刊行された大部の報告書では、遺物番号2が振られており、「長い髪の毛」、「両乳房」そして「女性器および陰毛」が表現されているという解釈もあります。今のところそれに同意できそうですが、世界のどこにも類例がありませんので、表現の目的などはなかなかわかりません。
私がこの線刻のある礫を、レプリカであろうと、見たのは初めてであり、このような貴重な先史美術が四国の山中の遺跡で発見されていたことに感銘を受けました。現場にもはじめて行きましたが、谷あいの川のほとりにあり、1万年以上前も、非常に生活しやすい場所だったのだろうと実感しました。ただし、遺跡そのものは、覆い屋の屋根を工事されていて、養生のためか、層位がブルーシートで覆われていて、実際の発見現場を目にすることはできませんでした。事前の情報収集不足のためですが、まあ、もう一度来なさい、と作者たちが言っているようにも思い、再来を期した次第です。
それにしても、この小さな礫はいったい何の役に立っていたのでしょうか。写真の作品で高さ4.5cmで、一説には、女性が出産時に握りしめていたという考えもありますが、まあ、それも含めて、色々と考える事が、先史美術を前にする醍醐味といえるでしょう。
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by rupestrian | 2009-12-02 17:07 | 先史岩面画