世界各地の先史岩面画に関心を抱く皆さんとの情報交換を行う場です。
by rupestrian
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31


「岩絵」の問題

マカピーです。しばらく、用語に関し厄介な問題があって、更新できませんでした。何度も書きますが、エジプトの論文を仕上げて、改めて用語の問題が気になって、NHKの担当者に11月の放送では、教育チャンネルということでもあるので、「岩絵」ではなく、「岩面画」の方がよいのではないかと提案してみたのですが、どうも手応えはあまりよくありません。
小さなことのようですが、会の名称にも関わりますので、以下、少し長くなりますが、こだわってみたいと思います。そもそも、このブログのアドレスにはrupestrianを用いていますが、これは先にも書いたとおり、「岩の面の」という意味の、よほど大きな辞書でもない限り載っていない英語であり、元々はフランス語などのラテン語系の言葉です。フランス語で「岩面画」は「l'art rupesre」であり、それがアングロ系の言語に訳されたときに、英語では「rock art」と単純化されてしまい、それがそのまま漢字圏の中国語などで「岩画」という言葉になったのだろうと思います。「岩絵」もおそらく、英語からの「直訳」的な言葉であり、対象の重要な側面を見落とした、不十分な用語であると、専門的に学ぶ者としては、常に問題意識を持っていました。やはり、下の、アルタミラ洞窟の天井画に見られるとおり、「岩」の不規則な形状の「面」に制作されたことそれ自体がまさに本質的なことであり、類似のものも含んで何でもありというのではなく、厳しく峻別してゆきたいと考えています。
NHKをはじめとするマスコミなどがなぜ「岩絵」という用語を好んで使うのか、その理由はわかりません。それは日本語の辞書にも載っていない言葉であり、(「岩面画」や「岩壁画」は載っている)俗称というしかありませんが、多分、言葉の音の響きが快いからかもしれません。これはこれで結構な研究対象の問題になるかもしれません。
以上、鬱陶しいことを書いてきましたが、切にご容赦ください。ここから派生する他の用語についても、追い追い書いてゆきたいと考えています。

a0085337_1150322.jpg

[PR]
by rupestrian | 2009-09-17 11:51
<< 岩面刻画という用語 訂正とお詫び、と女性像 >>